カツラ入門!かつらの製造国について

間違いだらけのカツラ選び
東京のFM J-WEBに黒髪はえ太が生出演しました。かつらの事について語りました!

あなたのカツラの製造国はどこ? 【2013年8月12日】

かつらの製造は、どこの国でやっていると思いますか?

かつらの製造は、人件費の安い国をめざして常に移動しています。

◆第1ステージ <日本や韓国から中国へ>
昔は日本や韓国でオーダーメイドかつらを製造していましたが人件費の高騰とともに、人件費の安い国に移ってしまいました。

オーダーメイドかつらって、すべてが手作りの手工芸品ですから労働集約型の典型的な仕事なのです。

だって、かつらのベースになるネットだって、お客様の頭の型にあわせて1つづつ手作りだし、
ウレタンの人工皮膚だって液体を塗り重ねて作るものだし、髪の毛だって手作業でベースネットに植えていくのです。

もちろん安物の、ファッションウィッグなどはマシンメイドと言って、
ミシンでガガッと縫っていきますのですぐに完成しますけどねっ

過ぎること30年以上前、中国の青島に日本の大手のA社が工場を作りました。
まだ韓国勢も来ていなかったころです。

そのころのころを聞くと、資本主義などはまったくない時代ですから、
生産性を高めようなどという意識は労働者にはまったくなかったそうです。

その労働意識を高めるために、労働者に「これだけこの期間内にやったら」と・・プレゼントにストッキング(その頃は労働者が欲しがるものだったそうです)をプレゼントしたりいろいろ工夫して頑張ったとのこと。

韓国の主な輸出品でもあったかつらは、韓国でも人件費の高騰とともに海外に工場を移さないといけなくなって、
やはり中国の天津や大連などに次々と工場を移したのです。
◆第2ステージ<中国&それ以外の国へ>
中国に生産地を移した各メーカーですが、その後、中国だけでなく、タイやフィリッピン、インドネシアなどに製造工場を移しています。

つまり製造工場の多国籍化が進んでいます。

韓国や日本を脱出した各メーカーですが、お国柄や土地柄にあわせるのが大変なようです。

例えば、東南アジアの国だと、のんびりしていて、残業してこれだけやったら給与が・・・とお金で釣ろうしても働かない面があるそうです。

つまり生産性があがらない。なかなか苦労が絶えないようです。

またベトナムにも工場がいくつもありましたが、すでに労働者が集まらなくなっているそうです。

日本の家電大手のPanasonicやキャノン、ニトリなど大手の企業がたくさん進出しているので、
若者がそちらに流れているということです。

ベトナムの工場は、中国や韓国の企業の専属下請工場という面も強いです。

日本や韓国のかつらメーカーが生産拠点を中国以外に移す過程で、
コピーをつくることが得意で独立心旺盛な中国の人たちは、自分でかつら工場を立ち上げることも多くなりました。

かつらメーカーの営業マンだった人が工場を立ち上げたり、かつら工場の技術者だったりした人がかつら工場を立ち上げたりしています。

その品質については、工場によってかなり差があるので注意が必要でしょう。
◆第3ステージ<これからどうなる?>
主な生産地であった中国ですが経済の発展とともに従業員の人件費が相当にあがったり、
その他の経費が上がったしています。

さらに原材料(人毛)の高騰などもあり、原価がとても高くなってきてビジネスとして厳しくなっています。

また経済の成長とともに生活水準があがり労働者の確保が難しくなってきています。

中国の沿岸部に集中していたかつらの工場は、本部機能だけを沿岸部に残し、
工場は給与の安い内陸部にどんどん移して行っています。

ただしすでに内陸部も人件費が高騰してきており、この動きもそう長くはないかと思います。

労働集約型の企業は、常に人件費の安いところを求めて移動していくしかないのです。

日本の大手メーカー中国を出てタイに工場を建てたりしていましたが、
タイなどの人件費の高騰や水害の影響などもありラオスに工場を建てたりしています。

また韓国の大手メーカーはミャンマーに大規模な工場をつくって生産しています。

ラオスもミャンマーも両国ともに、1か月の給与が1万円に満たない発展途上国です。

以前は中国もそのような給与だったのですが、現在は5万円などとなっていますので人件費では、
とても太刀打ちできません。

日本や韓国から中国へかつら工場の移転が進んだように、今度は中国から他の人件費の安い国への移転が進むことでしょう。

ミャンマーやラオスだけでなく、カンボジアやネパール、東南アジアのコストが上がったら、
東南アジアを脱出するかもしれません。